C型肝炎ウイルス陽性患者さんは
肝臓専門医にご紹介ください

C型肝炎・C型肝硬変治療と地域連携

肝がん診断前に、C型肝炎ウイルス(HCV)排除を達成している場合、生存率の向上が認められたという報告があります(図1)1)

図1:肝がん診断前のHCV排除が全生存率に与える影響(海外データ)1)

C型肝炎・C型肝硬変だけでなく、HCVキャリアを適切な治療に導くためにも、地域のかかりつけ医と専門医との連携は重要です(図2)2)

図2:C型肝炎・C型肝硬変治療における地域連携2)

国が推進する「肝炎総合対策」でも、「地域における肝疾患診療連携体制の強化」は一つの柱となっています(表1)3)

表1:肝炎総合対策(令和5年度)1)

C型肝炎ウイルス(HCV)陽性患者さんは、年齢や病態にかかわらず、全員が治療対象になります。かかりつけ医の先生方には、HCV陽性患者さんの最初の接点の役割を担っていただき、専門医との連携体制を築いていただくことが大切です。

また、患者さんに納得して専門医を受診してもらうためには、肝がんの発生リスク、HCV排除のメリットを伝えることがポイントとなります。

患者さんとのコミュニケーションを円滑にするためのサポート資料をご用意しました。ぜひ、ご活用ください。

1) Lockart I, et al. J Viral Hepat. 2021: 28(5): 710-718.
2) 厚生労働省. 地域包括ケアシステム より作成https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
(最終アクセス:2023年7月)
3) 厚生労働省. 第30回 肝炎対策推進協議会(2023年2月10日). 令和5年度肝炎予算案について. より一部抜粋

COLUMN

かかりつけ医が
専門医を紹介する際の障壁とは?

かかりつけ医が患者さんを肝臓専門医へ紹介しない理由で最も多かったのは「患者さんが断るから」でした。

患者さんが断る理由としては「高齢」が最も多く、その他に、「多忙」、「治療希望なし」、「症状なし」といったことが報告されました。

表1:肝炎総合対策(令和5年度)1)

厚生労働科学研究. 地域に応じた肝炎ウイルス診療連携体制構築の立案に資する研究. 令和元年度 総括・分担研究報告書. より改変

HCV治療では肝機能を改善させ、倦怠感などの症状を軽減させることが生活の質を高めることにつながり、介護者への感染からの保護にもつながります。

さまざまな患者さんにおいて治療の意義を見出し、適切な治療につなげることが大切です。

1)厚生労働科学研究. 地域に応じた肝炎ウイルス診療連携体制構築の立案に資する研究. 令和元年度 総括・分担研究報告書.

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HCV感染患者さんのために」

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プライマリケアでみる C型肝硬変ケーススタディ

CASE6
「主治医と専門医の連携がカギを握る」
埼玉医科大学 持田 智 先生

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C型肝硬変患者さんに対するかかりつけ医の役割

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